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深い深い森の奥
美しい湖の畔で一人の少年が立っていた
9、10才あたりだろうか
青い髪が黒く煤け、同じく青い瞳はなにも映してないように暗く翳っていた
___みんなみんな死んじゃった
目に焼き付いた惨劇を思い出さないようにとただただ湖を眺めていた
もう誰もいない
パンを焼くのが上手かったおじさんも
働き者だったおばさんも
いたずらが好きでいつも怒られてた親友も
いつも笑っていたお父さんも
優しく抱き締めてくれたお母さんも
いっそのこと死んでしまおうか
早くみんなに会いたいな...
「こんなところで何してるの?」
少年はゆっくりと振り返った
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