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さっきまで泣いて居たのが嘘のように、目を輝かせてキョロキョロと辺りを忙しなく見渡し始める。…明るくて皆のムードメーカー的存在の史乃。…ただ…惚れっぽいのがたまにキズで…つい一ヶ月前にも一目惚れして付き合い始めた彼と別れたばかり……
「史乃…違うから…とにかく、歩美のとこ行こう?ね?」
いまだに周りを気にしている史乃の腕を引きながら、歩美のもとへと急ぐ。一通り挨拶が済んだのか、歩美の周りには旦那様と両家のご家族だけとなっていた。
「あ・ゆ・み~!!」
私の腕をスルリと抜け、ウェディングドレス姿の歩美へと史乃が突進していく。
「史乃、抱きついたら歩美が危ない―…」
いつもの調子で抱きつこうと走り出した史乃のタックルを優しく歩美を抱き寄せかわしてくれたのは歩美の愛しの旦那様…。
「聡くん、さすがだね。歩美、大丈夫?」
「…大丈夫…なわけないでしょ?史乃、あんた何するのよ。動きづらいんだから寄らないで。…あと聡、いつまで触ってないで離して。」
…相変わらずだなぁ~、歩美は。さっぱりとした性格で思った事をズバッと言う歩美は、冷たく見られがちだけど面倒見のいい姉御肌。
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