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「……私は…………」
………行きたくない………
…正直、騒がしい所や人が集まる場所が苦手な私……以前は大好きだったのに…今は…その場に居るのもいたたまれなくなる…
披露宴の間は、主役の二人が居てくれるおかげで、座って隣の史乃と会話をしながら食事を楽しむ余裕があったが……二次会は……周りと会話をしなければならない…
…知らない人と……男性と……話すのが……怖い……
「…史乃のメイク終わったら…私…」
「一緒に行くの!!」
「絶対来なさい!!」
…合わせたかのように同時に二人に叱られ、引きずられるように史乃にお手洗いへと連れ込まれる。後ろの方で歩美と聡くんが呑気に『待ってるからね~』という声が聞こえていたが……史乃のせいで返事も返せなかった。
「……史乃……私……やっぱり行かない方が……」
お手洗いのメイクルームに二人で籠りながら、腫れてしまった瞼を何とか直そうと躍起になっている史乃に小さな声で呟いた。…が…
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