ちょっとした短編

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「てま…っ」 華蓮さんがわたくしの名を呼ぶ前に、その口をわたくしの口で塞ぐ。 少し離して、それより深くキスをしようとしたが、華蓮さんに離されてしまった。 「華蓮さん?」 「…うつるって言っただろ…」 目を逸らして言い訳をする華蓮さんを見ていると、少しだけ笑えてきた。 「…くすっ」 「なっ…わ、笑うな…!」 「大丈夫ですわ。この病気は経口感染及び飛沫感染はしないタイプですのよ。安心なさいませ。」 先程顔を離した時に赤みの引いた顔が、急にぼふっと音をたてて真っ赤になる。 「…ど…どうせ経口感染するのでもキスしただろ…」 「うふふ、どうでしょうね♪」 「うーー…」
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