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「…華蓮さん、わたくしのことをきにかけてくれるのは嬉しいですわ。」
落ち着いた口調で諭す。
「わたくし達は、いずれ家族になるんですのよ?
だから、気を遣う必要なんてありませんのよ。」
「!?…てまっ…」
声がひっくりかえり、赤い顔を更に赤くして驚く華蓮さん。
「華蓮さん?お顔が赤い…あら、熱が上がってますわ!タオルを取り替えないと!」
「…うー…」
わたくしがタオルを替えると、華蓮さんはそれを目の位置にまでずらし、呟く。
「…さらっと"家族"とか…照れる……」
かなり小声だったが、わたくしも華蓮さんの声を聞き逃すほど間抜けではない。
「本当のことじゃありませんか。何を照れることがありまして?」
替えたばかりで冷たいタオル越しに、華蓮さんの額にわたくしの額にをこつんと当てる。
じわじわと温かくなるタオルと、赤くなる華蓮さんの顔がリンクしていて、少し可笑しくて顔が綻ぶ。
「もし、一緒に居られなくなっても、わたくしは全てを捨てても華蓮さんを追いますわ。」
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