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「もし…し…看板…あった…の
薔薇…のホテ……行って…みる」
「看板が、どうしたんだ?」
さわ子の携帯は、一握りの電波で
繋がっていた。
「看板…見つけた…の
薔薇色の………」
「何の看板を見つけたんだ!
薔薇色って何だ!」
友哉は恋人への心配と、
聞き取れない言葉に苛立っていた。
「薔薇色のホテル」
さわ子の声が、
最後にはっきりそう言って、
電話は切れた。
友哉はすぐにかけ直してみたが、
さわ子の携帯にはもう、
電波は届いていなかった。
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