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友哉はこれまでに何度か、
緑川美夏と食事をしたことがある。
もちろんその時は、
さわ子も同席しているのだが。
美夏に恋人はいなかった。
いなかったというよりも、
本人が作ることを望んでなかった。
「だって、束縛されるのとか嫌だし、
一人の方が気楽でしょ」
いつか美夏は、
笑いながらそう言った。
「じゃあ、友哉みたいな人と
付き合えばいいのよ」
さわ子は答えた後、
ね、というような顔で、
友哉の方を見た。
何と返事していいのか分からず、
ただ顔を赤らめる友哉を見て、
美夏はまた、笑った。
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