突然

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突然

次の日の朝、土井は気持ち良く目覚めた。 久しぶりに熟睡した。 土井がベッドの中から体を起こすと長丸はベッド脇から台所へと走り廻っていた。 徳永が長丸に顔を洗わせようとして追いかけていた。 「寒っ…」 昨晩パンツ一枚で寝たことに気付いた。 長丸はキャーキャー騒いで駆けている。 「煩いっ!」 徳永は土井が起きたことに気付いてベッドの傍に来た。 「大分顔色が良さそうですね」 土井はいきなり目の下を引っ張られた。 「はい、口開けて」 土井は仕方なく口を開けた。 徳永は軽く頷くと土井に抱きついた。 「はい、お熱もないです」 「離れろ」 土井は静かに言った。 「このまま押し倒してもいいですか?」 「おいっ、長丸が睨んでるぞ」 長丸は台所から駆けて来てベッドの上に飛び乗った。 徳永と土井の間に入り込み、土井に抱きついた。 「何をするんですか?」 「邪魔だ」 徳永は長丸に睨まれた。 「そこに関しては僕も負けませんよ」 二人はベッドで手をバタバタとさせて、土井の陣地取りをした。 「クソ野郎たち…邪魔だっ!」 土井はベッドから駆け下りバスルームへ逃げた。 バスルームの外から二人の騒ぎ声が聞こえた。 土井は目覚めるために思いっきり熱めのシャワーを浴びた。
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