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「誰が……そこまで……していいって……いった?」
「僕が……だしました。するって……」
また、何かが鳴った。
徳永の攻める勢いは収まらず、どんどん加速した。
「僕の感って意外に当たるんです。……利さんは……したことあり……」
土井は徳永の口を押さえた。
「離れろよ…」
背中に回された腕を無理矢理解いた。
土井は逃げるようにベッドに潜り込んだ。
身体中に恐怖が襲ってくる。
どうしてなのか、寂しさが溢れて止まらない。
ベッドの傍に徳永がいる……
「来るなっ!来たらぶっ殺すっ!」
「殺されるのは勘弁です……」
徳永はそっとベッドの中に入ってきた。
「こうやると暖かいです」
後ろから抱きしめられた。
「どうです?利さん」
「………」
「僕がずっとこうしてますから…」
徳永の暖かい腕に抱かれながら涙が溢れて止まらない。
何故泣くのか自分でも分からない。
分からない……
……土井は最後の煙りを吐いた。
過去の記憶を辿っても徳永以外の事は思い出せない。
土井は徳永との同居生活を思い出すが、顔が赤くなる事ばかりだった。
……でも、俺の……
記憶の奥底に何かがある………
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