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その駐車場に数分後、徳永は姿を現した。
土井の車プリウスを探すがいっこうに見当たらない。
その時、徳永は肩を叩かれた。
振り向くとメガネをかけた中年男が立っていた。
「僕ですか?」
徳永は驚いた顔を向けた。
「はい。話があって待っていました」
男は笑いながら会釈をした。
徳永は怪訝な顔をその男に向けた。
「長丸くんの事で少しお話を聞かせて下さい」
「……警察の方…」
徳永は少し青ざめた。
中年男は首を横に振った。
「私は小田と言います。長丸くんの家族から連れて帰るように言われてこちらへ来ました」
中年男小田は人懐こい笑顔を向けてきた。
徳永は小田が探偵か、それとも弁護士かと風貌を見てそう思った。
「……確かここで待っていた筈ですが……」
徳永は首を伸ばして辺りを見渡した。
「今、車で振り切られました」
徳永は小田に顔を向けて言った。
「あなたは誰ですか?」
徳永もこの小田と言う中年男が普通ではないと気づいた。
「だから、あなた…徳永さんと話がしたい」
「……なんで…僕の名前を知ってる?」
少し後退さりする徳永は小田に腕を掴まれた。
「話を…」
その男の威圧感に押されて徳永は動けなくなった。
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