1174人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女はいつも「成長したい」と踏み出して、
「力になりたい」と努力していた。
彼女のことを考える時、後悔が一緒に浮かんでは沈んでいく。
こうすれば良かった。
ああすれば良かった、と。
おばさんの言うことを聞いて、もっと早く彼女の店に行けば良かった。
そうすれば、もっと早く出会えたかもしれない。
彼女の部屋に行った日。
「妹みたい」なんて、言わなければ良かった。
そうしたら、もっと素直になれたかもしれない。
高槻と付き合い始めたと勝手に勘違いした時、
素直に、佐藤さんの気持ちを聞けば良かった。
そうしたら、やけになることもなかった。
いいかげんな気持ちで、三浦さんと付き合わなければ良かった。
そうすれば、三浦さんを振り回して傷付けることもなかった。
退団する時、彼女になにも伝えず、消えなければ良かった。
すべて言えていたら……。
昨日、あの時、彼女を追えば良かった。
そうしたら、空港に行くことはなかったかもしれない。
もっと……もっと早く……自分から、好きだと言えば良かった。
そうしたら、彼女はとなりにいてくれたかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!