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淹れたコーヒーは一口飲んだっきり、減っていない。
目の前の理紗(リサ)は、無表情のまま私の言葉をひたすら聞いてくれている。
そんな理紗に私は、一気に吐き出すようにして、池田さんとの出会いから、今日までの出来事を話した。
私の手が、怪我の状態を良くする、という言葉にも反応はない。
「……で、実加は私になんて言ってほしいの?」
「え?」
「止めてほしいの?
背中、押してほしいの?
どっち? 」
大きな目が私を真っ直ぐに捉えて離さない。
「それは、わからない」
「うそつき」
うそ……つき?
「答え……出てるけど、踏み出すことが怖いだけでしょ?」
そうなのかな?
「迷ってる時点で、答え出てるじゃない」
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