第1章

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「実加(ミカ)さん、ちょっと痛い」 私の下で横になる女性が、痛みに耐えきれず声を漏らす。 「え!?すみません! 強過ぎました?  ……これぐらいでどうですか? 」 私は指に入れる力を少し緩め、反応を確認する。 「うん。  ちょうどいい」 「じゃあ、これぐらいで進めますね。  強かったり、弱かったりしたらすぐに言ってくださいね」 ベッドに横になった50代の女性の腰を触り、心の中でため息をつく。 これは、手ごわそう。 改めて気を入れ直して、患者さんへと向かう。
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