第2章

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彼女に出会う前。 俺はすがりつくように、病院をいくつもまわった。 だけど、どこも答えは同じもの。 医師が提案してくるのは、悪化しないようにすることだけだった。 病院の白い壁が、俺の頭の中を空白にさせる。 そして、その空白が引退と諦めで埋め尽くされた頃 「騙されたと思って行ってみなさい」 と、口うるさい叔母にそう言われ、半ば強制的に行くことになったのが彼女の店だった。
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