第2章

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それは、今まで受けたことのないものだった。 程良い痛みに、身体が変わっていく感触。 あまりの違和感に、しばらくしたところで思わず話し掛け、自分でも要領を得ない質問をしてしまった。 「……ねぇ、お姉さんはマッサージ上手な人?」 これでお金を稼いでいる相手には失礼だが、あの時は率直に聞いてみたかった。 普段は聞かれないであろう、失礼な質問だが、彼女は驚くことなく答える。 「どうでしょう?  あんまり比較できるものではないですからね。  相性もありますし」 サラッと言ったが、相性でここまで変わるものなのか? 職業柄、今までたくさんの人にマッサージしてもらったが、こんなことは初めてだった。 何故こんな風に感じるんだろう。 結局その日は、混乱したまま身体の違和感と共に、店を後にした。
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