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テレビの中では、今日の練習試合での得点シーンが流れていた。
画面に映る自分を、昔の自分と重ねる。
すると、今の自分のほうがいいような気がするから不思議だ。
年齢を重ね、サッカー選手のピークと言われる年齢はとうに過ぎたのに。
まだ、自分には可能性があることが、これ以上ないほど嬉しかった。
諦めかけたから、余計にそう感じるのかもな。
「さっさと試合出て来てくださいよ。
練習試合じゃなくて、こっちのに」
10番のエースナンバーを背負う日本代表が、待ちくたびれたとばかりに文句を言う。
「言われなくても、そろそろ出るよ」
「そうしてください。
先輩がいないと、俺のアシストが増えないんで」
俺じゃなくてもアシストはつくだろうに、憲司(ケンジ)は嫌味ったらしく言い放った。
これが、あいつなりの激励なのはわかってる。
俺だって、このままでいいとは思っていない。
彼女がくれたチャンス。
なにがなんでも、ものにしてやる。
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