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どうせ呼ぶならホーム。
そして、見応えのある試合で、俺の姿を見せたいと考えていた。
しかし、今シーズンの俺は練習試合で使われても、リーグ戦では使われていない。
正直、監督が俺をいつ使うかなんてわからない。
だけど、俺が監督なら……次の試合だ。
相手チームとの相性も昔からいいし、なにより今の俺は絶好調だ。
……でも、呼んでも使ってもらえなかったら、最悪だな。
そんなことを考えながら、チケットの手配をしようと電話を手にした。
*
入場すると、限界まで上げられた歓声が耳に届く。
たった一歩。
緑色の芝生を踏んだだけで、込み上げてくるものがある。
久しぶりのピッチからの風景に、
「おかえりー!!」
叫ぶような、サポーターの優しい言葉。
ほとんどが水色に染まったスタンドが、優しく俺を迎えてくれる。
「泣いてる場合じゃないですよ。
今までサボってた分、今日はしっかり働いてもらいますからね」
言いながら憲司が背中を軽く叩いて行った。
大きく、深呼吸して、ホーム側のスタンドを見た。
……来てくれないかもしれないと、渡す直前まで手が震えていたのは秘密、だ。
カッコよくなくても、泥臭くても、なんでもいい。
今日は点を取るぞ。
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