第2章

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ボールを取られたDFが、一瞬遅れて俺の後を追いかける。 空に蹴られたボールは、俺の頭上を通り、GKと俺の間に落ちた。 グングンと迫ってくるDFの気配がわかる。 ダメだ。 このままじゃ……追い付かれる。 そう思った時、 「行けーー!!!」 背中を押されるように、スピードが上がった。 跳ねたボール弾こうと、キーパーが走ってくる。 自分自身に、言い聞かせる。 走れ、走れ、 走れ走れ走れ 強く蹴り過ぎるな、 方向を合わせろ、 GKの上だ、 決めろ。 足を……伸ばせ! 憲司のかけたバックスピンが、俺の足へとボールを運んだ。
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