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車に乗って、電話を掛ける。
初めて掛けた電話は、やけにコール音が大きく聞こえた。
「はい」
出てくれた声は彼女のもので当たり前なのに、なぜかホッとする。
「今日は、来てくれてありがとう」
「見えてたんですか?」
「目はいいからね。
今からちょっと話したいんだけど、いい?」
「いいですよ、どうぞ」
電話で、と勘違いされたらしい。
いや、電話でも用は足りるんだが……。
「いや、電話じゃなくて……直接がいいんだ。
今、どこ?」
「駅の近くです」
「じゃあ、ロータリーで待ってて、すぐに出るから」
断られるのが怖くて、返事を聞く前に電話を切り、すぐにエンジンをかけた。
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