第2章

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多くの人たちが行き交う駅のロータリー。 街灯の下にいる彼女は、いつもとは違う服装でもすぐに見つけることが出来た。 目の前に車を停めると、彼女の方から車へと近寄ってきてくれた。 「乗って」 彼女は小さく頷くと、助手席に乗った。 綺麗……だな。 ……なに考えてるんだ俺は。 ちがうだろ。 走り出してから、お礼を言う。 「来てくれてありがとう。 来ないと思ってたから、嬉しかったよ」 「なんで? 」 「え? 」 「なんで来ないと思ったの? 」 「あぁ、前にサッカーは興味ないって言ってたから」 「そんなこと……。 で? 施術をすればいいんですか? 」 なるほど……そう受け取るのか……。 「あぁ、よくわかったね」 本当のところは違ったが、この際そんな細かい部分はどうでもよかった。 彼女に会えれば、それで。
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