第3章

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タオルを畳むことを理由に、真っ直ぐな視線から逃れる。 「私で役に立ったなら、嬉しい、です」 これは、ほんと。 だけど、もしかしたら、彼にはそっけない言葉に聞こえたかもしれない。 でも、今の私にそこまで気を遣う余裕はない。 だって……。 結局、彼が欲しいのは、私の手で……。 私じゃないってことでしょ? 思っていた形とは全く違うが、 やっぱり彼が求めていたのは、私じゃない。 わかっていたつもりなのに、 現実として突きつけられると……こんなにも痛い。
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