第3章

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* 「今日は午後に新規の患者さんが指名で入ってるから」 そう伝えられたのは朝だった。 予約時間の5分前。 背の高い男の人が入って来た。 見た目は爽やかで、人目を引く外見。 「いらっしゃいませ」 「へぇ……」 こっちの声を無視して、きょろきょろと周りを見渡す。 ……どこかで見たことのある人だな。 でも、新規の患者さんって言ってたし……気のせいかな? 「ご予約頂いている高槻さんですか?」 「ああ、そうです」 「本日担当させて頂きます、佐藤といいます。 よろしくお願いします」 私の名前を聞くと、視線がこっちに固定された。 「初めまして、よろしくお願いします」 うん。 やっぱり、初めまして……だよね? どうして私を指名したんだろう。 誰かの紹介かな?
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