第3章

8/54
前へ
/251ページ
次へ
「あの、私の顔になにかついてますか?」 「いや、なにも」 「そう……ですか」 しかし、やっぱり視線は動かない。 実は、初めてじゃなかったりするのかな。 ……どこかで見たことがあるような気もするし。 だけど、なぜだろう。 出てこない。 もやもやする……。 「ね、佐藤さん」 「はい」 「ここの仕事、辞めたいと思ったことある?」 「ないです、けど。 それがどうかしましたか?」 突然なに? 「そっかぁ。 やっぱり無理かなぁ」 高槻さんはひとり頭を抱えて、悶えている。 なんなの? 「あの……何のお話しですか」 全然話が見えてこない。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1174人が本棚に入れています
本棚に追加