第3章

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高槻さんは周りを見渡してから、顔を近づけ内緒話しのように囁いた。 「ヘッドハンティング」 小声だけど……はっきりと聞こえた。 ヘッドハンティングって……あれ? 会社から、優秀な人を引き抜くってやつ……かな? 「君に、うちのチームの専属になってほしくて」 チーム? 専属? 全く話しが見えてこない。 「もっと正確に言うと、頼みたいのは先輩専属なんだけどね」 先輩? もう……謎のワードが多過ぎ。 「こないだ、試合来てたんでしょ?」 し……あい? サッカーの試合なら行った。 だけど、なんでこの人がそれを? 「あのさ、もしかして……俺のこと、わからない」 「え……あ、はい」 「……マジかぁ~」 高槻さんは、ガックリと頭を下げている。
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