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「俺、これでもCMとかにも出てるのにな。
ちなみに、佐藤さんが見に来てたその試合にも俺は出てるからね」
え?
あの試合に?
思い出そうとするが、浮かんでくるのは彼の姿ばかり。
特に、得点を決めたシーンが……あ……。
思い出した!
「池田さんにパス出した人!」
堪え切れないと言わんばかりに、高槻さんが吹き出して笑う。
「なに、その覚え方。
まぁ合ってるけどさぁ~」
「ご、ごめんなさい」
慌てて頭を下げる。
「いい、いい、気にしないで」
つい、失礼な言い方になってしまった。
でも、他にサッカー選手としての高槻さんのことを私は知らない。
こんなことなら、もうちょっと勉強しとくんだった。
「ということは、先輩って池田さんのことですか?」
「正解」
そういうこと、か。
池田さんが私を紹介してくれたんだ。
「とりあえず、マッサージお願いしていい?」
「は、はい。
もちろんです」
横になった身体に、タオルを掛ける。
触れた手に、いつもとは違う感触が広がった。
……なに?
彼ともちがう、感触。
でも、明らかに普段とはちがう。
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