第3章

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「また来るよ」 そう言って、高槻さんは店を後にした。 高槻さんがいなくなった後の店内で、私は同僚の質問責めにあう。 TVに毎日映る有名人が来店したんだから、当然の反応かもしれない。 でも、私の頭の中はグルグルと回り、回り過ぎてショートを起こす。 私に、どうしろっていうの? そもそも、ふたりが言うように、私にそんな力あるの? あ~も~……。 感情が振り回される。 抑えが効かない。 それは、私の想いの大きさを表しているのか、 留まることを知らない。 見えないフリをしても、浮かんできて。 聞こえないフリをしても、ささやいて。 知らないフリをしても、思い出す。 消えて……くれない。 恋愛って、こんなんだっけ。
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