1174人が本棚に入れています
本棚に追加
*
日曜日の朝。
仕事が休みな私は、ベッドの上で高校からの親友に電話する。
発信音の後に、コール音が鳴った。
繰り返し流れるその音を聞きながら、回らない頭を回す。
どこから話そう。
どう言ったら、信じてもらえるだろうか。
なんて、言えばいい?
「お願い。
相談に乗って」
電話の向こうで声がする前に、私は言っていた。
「なに?
どうしたの?」
向こう側では親友が何事かと声のトーンを下げる。
「できれば会って話したい」
「なにその殺し文句。
わかった……じゃあ、今日昼過ぎに家に行くよ。
家のほうがいいでしょ?」
「うん」
「じゃあ、切るよ?」
「うん」
「じゃあ、また後でね」
あっさりと切られたケータイを眺めて、また頭の中を回し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!