-1- 慎一郎 十三歳

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 お金を湯水のように使う派手な生活の源は、 母自身の資産によるもので、 経済面では父の支援は一切受けていなかった。 所謂『二号さん』とは違っていた。 無駄遣いはしなかったが、 心地よく過ごすことには貧欲で、 財布から紙幣がぱたぱたと音立てて飛んでいくので、 一見派手に見られがちだったが、 家の中には無駄がなかった。
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