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男根が緩やかに女陰を出入りする度、
漏れる声音も秘かな笑い声というより、
淫靡な色を放つ。
それらを一瞬で見て取った慎一郎は、
恍惚とした「女」の姿と母の顔に、
今まで見たことのない、
夢の中の女を見た。
とても美しくて愛しい、
慕わしい……
運命のようなものを感じた。
後ろ手に、
音を立てないようその場を去った彼だったが、
おそらく父は彼に気付いていただろう。
母は――わからない。
例え気付いていたとしても、
お互いに睦み合い耽る姿を晒すことは止めなかっただろう。
どこをどう歩いたものやら、
高鳴る心臓の鼓動を抑えることも出来ず、
閉め切った自室の扉の内側で、
彼は己の固くなった陰茎に手を添え、
拙い手付きでおそらく初めての自慰をした。
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