-1- 慎一郎 十三歳
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「最初からきれいな女はいない」 父は言う。 「美しさは自ら発するものと内包するもの、 他人によって輝きを増すものがある。 おまえだけが輝かせられる人に会えるかどうか、 それは誰にもわからないだろう。 おまえの、 生涯かけての夢となるだろうな」 秋虫の音を聞きながら、 ふたりは深まる秋を感じていた。
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