-1- 慎一郎 十三歳

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【2】 少年期  自分達『家族』が普通の家庭と違うことは、 いつからとはわからないまでも、 物心つく頃には肌で感じ取っていた。  よく、 近所の同級生から『ニゴウのコドモ』と揶揄される事もあった。  初めて言われたのはいつだったか、 まだ幼稚舎に通っていた時か、 それ以前だったか。 口調からよろしくない空気を感じ取りはしたものの、 耳から入る言葉そのままに口にする歳だった。 「ニゴウのコドモって、 なに?」  家に帰ってすぐに母に訊いていた。  受けた母、 高遠茉莉花は一拍後ににっこりと微笑み、 朗らかに言った。
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