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【2】 少年期
自分達『家族』が普通の家庭と違うことは、
いつからとはわからないまでも、
物心つく頃には肌で感じ取っていた。
よく、
近所の同級生から『ニゴウのコドモ』と揶揄される事もあった。
初めて言われたのはいつだったか、
まだ幼稚舎に通っていた時か、
それ以前だったか。
口調からよろしくない空気を感じ取りはしたものの、
耳から入る言葉そのままに口にする歳だった。
「ニゴウのコドモって、
なに?」
家に帰ってすぐに母に訊いていた。
受けた母、
高遠茉莉花は一拍後ににっこりと微笑み、
朗らかに言った。
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