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社会的地位に見合った人脈が豊富で、
病床に慎一郎を招き寄せたのも彼らと知己を広め、
顔を覚えさせたい意向もあってのことだ。
道は慎一郎自身が切り拓くだろうし、
まだまだ高校生の彼にあるのは可能性だけだ。
けれど、
愛する人物を彷彿とさせる人間の存在は人に安心感と懐かしさ、
保護欲を喚起させることだろう。
いずれ後ろ盾として、
コネクションの担い手になってくれれば……。
人脈は偶発の上に作り上げられることもあるから、
多すぎて困ることはない。
父は人付き合いを好み、
専門家として頼りにされ、
友として愛されたので、
訪問客はひっきりなしに訪れた。
彼らも、
まるで形代のような友人にそっくりの息子に驚き、
目を細めた。
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