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進路を視野に入れた受験準備に入っていた高校二年の時に、
父は病で倒れた。
余命は幾ばくもなかった。
その際、
父はあろうことか慎一郎の夢を封印した。
死期が近いことを悟った父は、
慎一郎を病室に招き、
次のことを宣告した。
籍を父側に入れること。
つまり次男として、
尾上家に入ること。
遺産相続人として名を加えるかわり、
母校である白鳳に留まり、
教職、
ひいては自分と同じ教授職を得る学者・研究者になること。
これらの条件を呑めば、
見返りにかかる費用は全面的に支援すること。
以上だった。
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