-1- 慎一郎 十三歳 #2

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 青天の霹靂とは正にこのこと。  自分の夢の第一の理解者だった父が、 夢を手放し、 枷をはめようとする。  何故だ?  慎一郎は呆気に取られ、 返す言葉がない。  が、 続く父の言葉に、 別の意味で言葉を失った。 「不本意なのは重々承知している。 けれど、 許してくれ。 私は自分が築いたものを自分の子供に継いでもらいたい。 私の名と一緒に、 慎一郎に守ってもらいたい。 夢の名の下に、 君は飛び立ったら二度と戻ってはこないだろう。 お前の母とお前、 ふたりとも失いたくはない」  と。 真摯な眼差しに、 圧された。  死を目前とした人間の力は強い。
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