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青天の霹靂とは正にこのこと。
自分の夢の第一の理解者だった父が、
夢を手放し、
枷をはめようとする。
何故だ?
慎一郎は呆気に取られ、
返す言葉がない。
が、
続く父の言葉に、
別の意味で言葉を失った。
「不本意なのは重々承知している。
けれど、
許してくれ。
私は自分が築いたものを自分の子供に継いでもらいたい。
私の名と一緒に、
慎一郎に守ってもらいたい。
夢の名の下に、
君は飛び立ったら二度と戻ってはこないだろう。
お前の母とお前、
ふたりとも失いたくはない」
と。
真摯な眼差しに、
圧された。
死を目前とした人間の力は強い。
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