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【3】 従兄 裕
お兄さんが制服を着る学校を卒業した頃、
在宅できる時間が更に不規則になったので、
秋良のお食事お届け便は終わることとなった。
寂しくて拗ねたけど、
朝から晩まで忙しそうにしてるのに仕方ないでしょう、
と母に諭された。
「つまらない」と思ったけど、
これが「仕方ないこと」なのかな、
と秋良は思う。
ちょうどこの頃、
叔母に赤ちゃんが産まれた。
男の子だった。
裕、
ひろしといった。
叔父さんは苦手、
でも、
赤ちゃんは可愛いし、
好きだったから、
母と一緒に遊びに出かけた。
ころころして小さいけれど、
抱っこするには秋良には大きい。
遊んであげているのか遊ばれているのかわからないけれど、
裕が笑う顔を見るのは好きだった。
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