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憧れていたお兄さんに少しでも近づきたかった、
重なるものを増やしたかっただけなのだけど。
慎一郎がいない自分の人生はどうなっていただろう。
接点が少なかったらどうだったのか。
分かり切ったこと、
と秋良は思う。
味気のない、
当たり障りのない人生を生きていただろう。
人より、
少しばかりもてていたから、
そこそこ幸せな家庭は築けていただろう。
子供にも恵まれ、
穏やかに人生を送り、
家庭を守っていただろう。
そうならなくて良かった。
乗務前、
ブリーフィングの合間に、
窓から見える空。
ここを舞台に働ける、
私は幸せだから、
と。
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