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慎一郎との接点を求めて始めたこともあった。
大小父もたしなんでいたという合気道の道場の門を叩いたのも、
稽古時なら同じ時間を共有できるから。
「秋良は慎一郎君の金魚のフンね」
慎一郎君のファンだものね、
と母は呆れ顔。
父は、
「変な虫がつくより余程良い」
と言い、
追い掛けられる慎一郎はひたすら苦笑顔。
ある頃から、
慎一郎は秋良の行動を拒絶はしないけれど、
受け止めるわけでもなし、
さりとて放置もしない、
その意志を表するように困った顔をするようになった。
迷惑かもしれない、
でも、
気づきたくないから。
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