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【4】 思い出す秘密
裕が死んだ翌年、
従姉妹が生まれた。
「いもうとかおとうとができるんだ」
裕は楽しみにしていたっけ。
女の子の名前は、
ゆう。
兄の字を充てて、
『ゆう』と読ませた。
夭折した兄のかわりに長生きして欲しかったのか、
未練があったのか。
叔父と叔母の哀しみが伝わってくるような気がして、
めでたいことだけど、
しんみりとしてしまう。
裕が生まれた時には、
秋良も学校で性教育を受けていたし、
クラスメイトの中にもちらほら、
彼女自身も初潮を迎えていたので、
生命の誕生や子供はどこからやってくるものか、
どうすればできるのか、
コウノトリが運ぶのではないことは間違いないことを知識として知っていたので、
命の誕生には敏感になっていた。
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