- 2 - 秋良 六歳 #2

15/20
前へ
/35ページ
次へ
 遠い記憶の蓋が開きそうになる。  あれは、 そう、 大小父さんの葬儀の時。  あの時のできごとは――  胸にちりちりと痛みが残る。  確かな手触りと共に残る記憶。  あれは何だったのだろう、 と人に問うてはいけないこと、 忘れたままでいた方が良いことなのだ、 秋良にとっても、 慎一郎にとっても――。  口に出したら、 大変なことになる。  この時、 秋良は、 人には『言えない秘密』があるのを覚えた。  
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加