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プラスチックの指輪は、
その後秋良の宝物となった。
おもちゃの宿命として、
いつかは壊れてしまう。
当然、
秋良は大泣きをした。
ビービー泣きながら慎一郎の元を尋ね、
元通りにならないまでも形を留めるまでに直してもらったそれを、
彼から受け取った。
「ボンドが乾くまで、
動かしてはいけないよ」
秋良はこくんと頷く。
「でも、
もう、
それはつけられないかな」
慎一郎に言われて、
秋良はベソをかきそうになった。
「また代わりのを買ってあげるから」と言われても納得しなかった。
大晦日の夜に見た輝きと、
嬉しさまで買い直せないことを知っていたから。
形あるものは簡単に壊れてしまうんだ。
「もう、
しまっておくもん」
言って、
手の平に大切にくるんで持ち帰った。
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