- 2 - 秋良 六歳 #2

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 プラスチックの指輪は、 その後秋良の宝物となった。 おもちゃの宿命として、 いつかは壊れてしまう。 当然、 秋良は大泣きをした。 ビービー泣きながら慎一郎の元を尋ね、 元通りにならないまでも形を留めるまでに直してもらったそれを、 彼から受け取った。 「ボンドが乾くまで、 動かしてはいけないよ」  秋良はこくんと頷く。 「でも、 もう、 それはつけられないかな」  慎一郎に言われて、 秋良はベソをかきそうになった。 「また代わりのを買ってあげるから」と言われても納得しなかった。  大晦日の夜に見た輝きと、 嬉しさまで買い直せないことを知っていたから。  形あるものは簡単に壊れてしまうんだ。 「もう、 しまっておくもん」  言って、 手の平に大切にくるんで持ち帰った。
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