- 3 - 慎一郎 二十九歳

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 あなたとの別れの日に、 僕はとんでもないことをしてしまった。  父さんを喪って辛いより、 秋良に手をかけそうになったことをおそれるなんて。  僕は一生、 父さんの命日が来る度に思い出し続け、 後悔しなければならない。  人の知るところとなったら――償わなければならないんだ。  その日が来なくても、 来たとしても、 目を背けてはいけない。
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