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慎一郎が背を延ばし、
秋良も更に伸ばし、
それ以上にみるみる大きくなった裕の生長は、
三歳を限りに止まった。
秋良が高学年になった夏の日に、
不在だった彼の両親に代わって秋良の家で預かった。
「おじさんがいないとつまらない」という裕の頑とした主張に応じて慎一郎と夕食を囲んだ夕べ。
楽しかった日の翌日に、
あっけなく、
車にはねられ死んでしまった。
人が死ぬのは哀しい。
小さい子の死はもっと哀しい。
大小父さんが死んだ時とは違う悲しさを覚えた。
前日の夜まで、
みんなで笑い合っていたのに。
当日の朝だって、
朝ご飯は一緒だったのに。
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