- 2 - 秋良 六歳 #2

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- 2 - 秋良 六歳 #2

 父に促され、 やっと自分のものになったのだという実感がわいてきた秋良は「ありがとう」と言うなり指にはめて、 何度も手を翻し、 自分の指にはまった赤いおもちゃの指輪を飽かず眺めていた。 「いくつになっても女の子は女なんだねえ」  父が言う意味もわからない年頃だった。
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