- 慎一郎 二十九歳 #3
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「きょうだいは仲違いをするから、 いやだと。 嫌いになるのもいやだと、 言っていた」 視線を泳がせ、 政は息子を見定める。 「私達の間を彼なりに案じていて、 自分も倣わなければならないと――信じているようだった」 「ばかな」 絞り出すように言う政。
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