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【7】 夢のはじまり
日本へ帰って、
まず済ませたのは兄夫婦と水流添家へ帰国の報告と挨拶、
預けていた家の鍵の返却、
そして空けていた家の管理の礼。
両親の墓参、
帰国の報告。
そして勤め先となる母校への挨拶だった。
彼に割り振られたのは扶桑館。
校舎の建て替えが進んでいた学内で、
唯一残っている旧い建物。
軋む床が年代を物語るが、
駆け出しの研究者・助手に贅沢は言えない。
それに、
ここはかつて父が使っていた建物で、
与えられた部屋は正に父の研究室があったところ。
自分にとって良い器が与えられたと思った。
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