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「常々言ってあるが。
学校へは来ないように、
特にひとりでは、
と。
忘れたのかな」
「あら、
そうでした」
ごめんなさい、
とぺこり。
頭を下げる。
慎一郎は大仰に溜め息をつく。
「外聞を気にしなさい、
といつも言っている。
私ではなく、
君のことだ。
それに、
君は勘違いをしているようだが、
ここは尾上の本家ではなく私の職場だ。
いつも居るとは限らないし、
仕事をしている事もある。
先刻のように、
ここでゼミ生や生徒と課外ミーティングも授業も行っている。
研究指導もする」
あ、
と秋良は顔を上げた。
向かいにいる慎一郎は渋い顔だ。
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