- 4 - 均衡 #2

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「常々言ってあるが。 学校へは来ないように、 特にひとりでは、 と。 忘れたのかな」 「あら、 そうでした」  ごめんなさい、 とぺこり。 頭を下げる。  慎一郎は大仰に溜め息をつく。 「外聞を気にしなさい、 といつも言っている。 私ではなく、 君のことだ。 それに、 君は勘違いをしているようだが、 ここは尾上の本家ではなく私の職場だ。 いつも居るとは限らないし、 仕事をしている事もある。 先刻のように、 ここでゼミ生や生徒と課外ミーティングも授業も行っている。 研究指導もする」  あ、 と秋良は顔を上げた。  向かいにいる慎一郎は渋い顔だ。
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