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――怒らせた? 私?
秋良は心が落ち着かない。
「反対の立場に立ってみたまえ。
私や君の身内が勤務中の君に気安く声をかけたり、
君を訪ねてギャレーに入り込んだらどうするか。
私の立場も分かるはずだ」
全くもってその通り。
「ごめんなさい」
これは本格的に怒らせてしまったかもしれない。
今度こそ、
禁足決定かも――
肩から力を落として、
秋良は俯く。
再度、
向かい側から大きく溜め息。
そして、
洋酒の銘柄をぽつりと口にする。
「違うかな?」と。
違っていない。
大当たりだ。
「良く解りましたわね……」
「あれだけ派手に香らせておいて、
解らない方がおかしい」
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