- 均衡 #4

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 また拒まれたら――私は壊れてしまう。  彼から拒絶の言葉も聞きたくない。  揺さぶって欲しくないのに、 何故、 他の男性を紹介しようとするの。  もう――どうでもいい。  三十の声が聞こえる今、 流石に見合い話は来なくなった。  でも、 他に優しい人がいたら、 愛せなくても好意が持てれば、 穏やかな家庭が営めるのではなかろうか。  慎一郎さんを忘れさせてくれるなら、 誰でもいい。  慎一郎が仕事や自分の思いに苛立ち、 秋良が諦めを持った時、 彼女に久方ぶりに見合い話が舞い込んだ。 「滅多にない良縁よ!」  身内でも有名なお見合い小母さんの口癖だが、 「今回は本当に本当よ」と鼻息が荒い。
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