- 5 - 転換点 #2

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「尾上です。 お呼びとのことで伺いました」  ノックするドアの中の住人に語りかける。  入りたまえ、 といういらえが返り、 慎一郎は「失礼します」と言いながら入室した。  ドアの向こうには、 横山と学長が談笑の最中だった。 「来たね」と、 学長の武は言う。 「今、 横山君と君の話をしていたところだよ。 今度本を書くんだって?」 「はあ、 まあ、 そうです。 今、 執筆担当者と打ち合わせをしていました」 「ほう、 そうなのか。 イチロー・カルテットの初仕事だね、 楽しみにしているんだよ。 良いものが出てくるのを期待してるから。 さて、 後は……君にお願いしていいね」
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