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「尾上です。
お呼びとのことで伺いました」
ノックするドアの中の住人に語りかける。
入りたまえ、
といういらえが返り、
慎一郎は「失礼します」と言いながら入室した。
ドアの向こうには、
横山と学長が談笑の最中だった。
「来たね」と、
学長の武は言う。
「今、
横山君と君の話をしていたところだよ。
今度本を書くんだって?」
「はあ、
まあ、
そうです。
今、
執筆担当者と打ち合わせをしていました」
「ほう、
そうなのか。
イチロー・カルテットの初仕事だね、
楽しみにしているんだよ。
良いものが出てくるのを期待してるから。
さて、
後は……君にお願いしていいね」
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