- 5 - 転換点 #2

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「自分の生家にいました」 「ああ、 政君から経緯は聞いている。 だから、 君に会えたのは私が白鳳に戻った数年前のことだな」  厳しく見据える横山の目が、 ふと和む。 「君は、 本当に先生によく似ている。 顔は年相応に若いが、 先生がそこにいらっしゃるようだ」 「それは――」  父の生前から、 父を知る人に会う度に言われていたことだったので、 さして意識もしていなかったが、 面と向かって言われると、 いくつになってもむずがゆさを感じる。 「もっとも、 先生は何事も素早く、 的確に動かれる方だったから、 その点は違うようだが。 しかし、 学生への接し方は、 生来のものなのだろうな、 私の学生時代を思い出した」
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