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「自分の生家にいました」
「ああ、
政君から経緯は聞いている。
だから、
君に会えたのは私が白鳳に戻った数年前のことだな」
厳しく見据える横山の目が、
ふと和む。
「君は、
本当に先生によく似ている。
顔は年相応に若いが、
先生がそこにいらっしゃるようだ」
「それは――」
父の生前から、
父を知る人に会う度に言われていたことだったので、
さして意識もしていなかったが、
面と向かって言われると、
いくつになってもむずがゆさを感じる。
「もっとも、
先生は何事も素早く、
的確に動かれる方だったから、
その点は違うようだが。
しかし、
学生への接し方は、
生来のものなのだろうな、
私の学生時代を思い出した」
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